専門学校では、独学ではどうしても学ぶことができない知識や技術を得られます。ただ、そのためには「教えてもらう」ということが必要不可欠です。 教えてくれる人は「講師」です。学ぶ際、何かの教育を受ける際には、この「講師」の質が「定着」を左右するといってもいいでしょう。教えてくれる人、自分がまだ知らない知識やスキルを実際に身につけている人、講師とはそのような人のことを指します。専門学校もビジネスです。ビジネスとは投資と売り上げを対比して「プラス」として残すことです。つまり「利潤」を得ることが最大の命題です。専門学校で教えている教員にも「人件費」がかかります。どれだけ少ない講師で、どれだけ多くの生徒を賄うことができるかということもビジネスにとっては重要なことといえます。それらは専門用語では「クラス効率」という言葉で示されます。クラス効率の数値が高いほど、一人の講師が多くの生徒を受け持つということです。そうすればより少ない人件費で多くの生徒、つまり「学費」を得ることができるからです。 このようなビジネス本位のクラス編成をされているような学校では、講師がいくらベテランであっても自分の知りたいことを知るということが難しい場合があります。中学や高校のクラス編成のような「大人数」の編成では、どうしても気が緩んでしまう場合もあるからです。また、「授業」というそれまで苦い想い出しかないスタイルがそのまま踏襲され、「勉強」という強制的に「させられてしまう」という感覚が蘇ってきてしまうかもしれません。ただ、専門学校に通うことにしたのは「自分自身」であるはずですし、「その道を進みたい」から、そのような世界に足を踏み入れたはずです。「やらされている」、「押し付けられている」という感覚は間違っています。 学校の中のどのような局面でも重要になる「講師」ですが、生徒にとってはどのような講師も「自分より上」に見えるものです。ですから、通っている、「生徒」としての身分では「この先生は良くない」などと決めつけることはできないのです。ただ、ある程度の指針として、「その人がその道でしっかりと活躍しているのかどうか」という見極め方があります。 その先生ははたしてその道の「プロ」であるのかどうかということです。 残念ながら、専門学校には、卒業後の働き口として「専門学校の講師」という職業があります。専門学校を卒業した人が、そのまま専門学校の講師になってしまうのです。プロとしての経験を積まず、ストレートに専門学校で働いてしまうのです。そのような講師は通り一遍等のまさに「学校で習うような知識」しか持ちあわせていないのが現実で、そのような講師にあたってしまうと、どうしても得られる知識や技術に限りが出てきてしまいます。 良い講師とは、実際にその道で活躍している人のことを指します。教え方がうまい、生徒に人気があるということも大切ですが、まずは講師としての「大前提」の部分を探ることが大切です。