どのようなことを職にしようとしても、それが「実際に出来る」ということが大切です。自分がその道で学び続けることができるかどうか、自分がその道で生きていけるかどうかは、その一点にかかっています。
職業によって、その「道」によって、求められていることは違います。ただ言えるのは、「戦力」になるかどうかということです。何にしてもそうです。音楽にしてもデザインにしても、あるいは医療にしても、「知識はあっても手が動かせない」ということは致命的です。どれだけ知識があったとしても、それを活かすだけの「技術」がなければ誰も雇いません。即戦力として認められません。
さらには、その「知識」というものがはたして現場で役に立つものなのかどうかということも重要です。その仕事の「現場」に、その知識が役に立つのかどうかは、その現場に入ってみなければわからないことです。その会社、その組織によって「美徳」とされていることは違います。それはその仕事を選ぶときに感じとることではあるのですが、社会人経験が浅い人であればなかなかわからないことかもしれません。大切にしなければいけないのは、働く場所、その時の上司、先輩、つまり「仕事をくれている人」の言うことを聞くということです。それがその現場では「正義」で、それで稼いでいるのであればそれはとても大切なことなのです。
学校では「働き方」までは教えてくれません。知識と技術を身につけるための学校であるのは間違いありませんが、それが職場で正しいことなのかどうか、それはわからないのです。それがわかるようになるためには実際に働くしかありません。実戦の経験が必要です。
働くためにはさまざまな要素が必要です。社会人としてのマナー、組織という中で立ち振る舞う方法、その他さまざまなことが必要です。それらは学校では教えてくれません。自分で身につけていくしかありません。そのためには「働く」で必要があるのです。
仕事を得るということは生半可なことではありません。誰もが稼ぐ必要がある世の中です。誰もが仕事を手にしなければいけない世の中です。自分が自分として生きていくためには、何よりもお金が必要です。それは「夢」と「現実」の境でもあります。「これがしたい」、「あれがしたい」ということはさておいて、とにかく生きていく必要があるのです。
知識だけの頭でっかちは敬遠されます。知識だけしかないような人は仕事などありません。その知識に裏打ちされた技術が必要です。そして、技術は一様ではありません。そこには個性があり、その人にしか出来ないことがたくさん含まれています。そのようなことを考えると、自分がどのようなことを成せばいいのか、自分がどのようなことを身につけていけばいいのか、わかるのではないでしょうか。専門学校に通いながら、その後の「仕事」のことを考えるのです。その時点で、それが「自分のこと」として明確にイメージできるようになった時点で、それは「リアル」になるでしょう。