「辛い」と感じたら負け

何事も思い通りにはいかないものです。何事も自分が望んだ通りには事が運ばないものです。そのような都合の良い状態ばかり続くような人は世の中には存在しません。

いくら自分が好きで選んだ道でも、辛い局面というものはあります。「仕事」にすれば、好きなことだけができるという状態は続かないもので、なかにはやりたくないこと、避けたいことにも直面します。その時にどうするかは自分次第です。「こんなことはやりたくないから新天地を探そう」というのか、「ここは踏みとどまって我慢しよう」と考えるのか、人それぞれの捉え方があるでしょう。

どのような選択肢を選んでもいいのですが、確実なのは100パーセント自分の思い通りになる仕事などはないということです。仕事にする以上、どこかに必ず利害関係があります。その利害関係によっては、自分の意志など跳ね除けられてしまう、黙殺されてしまうこともあるのです。そのような事態にどう対処するか、どのような「意志」を持って臨むのか、それが問われます。それはある意味専門学校では学べないことです。「胆力」といってもいいでしょう。意地でもその道で生きていくのか、それとも自分が心地いい環境だけ探すのかということです。

それは「学校」において、その「道」の勉強をしている際、「こんなことも必要なのか」という気持ちに陥った際も同じです。たとえばデザインや音楽は独学でもできてしまうことです。それぞれ「基本」はありますが、それを度外視しても芸術、クリエイティブとして成立させることができる人も中にはいます。「趣味」として関われば、自分が好きなモノだけを作って過ごすことができるのですが、「仕事」にするとそうはいかなくなるのです。そのような感覚がわからない人は、自分が選んだ道であるはずなのに「こんなことは必要ない」と勝手に決め付けてしまうものです。仕事にするために必要なことのはずなのに、「プロ」が「必要だ」といって教えてくれているのにそれを考えないようにしてしまうものなのです。

やりたいことをやりたいように、好きなことを好きなようにやるというのは難しいものです。「思い通り」に事を運べる人など、実際は世の中にはいないのかもしれません。世の中はたくさんの不条理と、少しの幸せで成り立っているのかもしれません。

何を糧にするか、なにをチカラにして生きるのか、それ学生のうちから考えておいた方がいいでしょう。誰も助けてはくれないものですし、最後はやはり自分の「意志」しか頼るものがないのです。自分の意志が尽きたとき、自分が諦めてしまったとき、その時が自分の「夢」の終着点になってしまうでしょう。誰もが辛いことを経験します。誰もが葉を食いしばる局面を経験するものなのです。その胆力は、「意志」のみによって身に付けることができるものです。何があっても諦めない意志、それが絶対に必要でしょう。辛いこと、不条理なことは、必ずあるのですから。